2007-09-06
# 処女峰アンナプルナ
人類が初めて8000m峰を登頂した記録。 読んで感じたことは、1950年のアンナプルナ登攀は、登山よりも探検という言葉がふさわしい。まず、攻略すべき山嶺に関する正確な地図そのものがない。登山隊は地勢とルートを探査するだけで、何度もパーティを出して、偵察し、地図を作り上げてゆく。もちろん人工衛星もない時代だからGPSなんて便利な道具もない。全ては人の足と目で作られてゆく。そして、無線機の性能も良くなくて実用にならず、また気象衛星も存在しない。現代の観光化したエベレスト登山とは次元が異なるのだ。
ところでkayakayaは道のない山を登ったことがある。正確には冬山登山の時期に使われるルートを夏に登った。その時に使った国土地理院発行の地形図は実に正確だった。道は書いていなくても、等高線を読めば、脳内で山容をイメージできたし、現況も地図その通りだった。ただ、道はないから、どの方向に登るかは自分で判断しなければならない。行くべき方向を自分で決めるのだ。それだけでも大変だったのに、1950年のアンナプルナ登攀隊は、地図を作製し、ルートを拓いて、8000m峰を登った。実に想像を絶する。
登山に限った話しではないが、物事をなすには準備が必要だ。本書を読めばアンナプルナを征する時間の大半が偵察やキャンプ設営に費やされていることが分かるだろう。約3ヶ月の遠征期間のうち、ベースキャンプから登頂まではわずか数日なのだから。
